「築40年前後の木造住宅は耐震性が不安」「耐震リフォームにどれくらい費用がかかる?」
そんな悩みを持つ方は多く、特に 旧耐震(1981年以前) の住宅は、地震対策が急務といえます。
この記事では、
- 工法別の耐震リフォーム費用
- 築40年前後の家に発生しやすい追加費用
- 旧耐震住宅の注意点とリスク
をまとめて整理し、初心者でも失敗なく計画できるよう体系的に解説します。

築38年の自宅で耐震診断を受け、壁補強を中心に施工。金物追加と基礎補修も行い、揺れの不安が大きく軽減。施工説明が丁寧で安心できました。

基礎に複数のひびが見つかり、炭素繊維補強とエポキシ施工を実施。費用はかかったが、地震時の安心感が全く違い、やって良かったと感じています。

築40年で図面が残っておらず、詳細診断からスタート。調査結果を基に最適な補強案を提案してもらい、無駄なく必要な部分だけ施工できました。

みんなの声としては「壁補強中心の耐震リフォーム」「基礎の劣化が大きかったケース」「旧耐震で図面なしだったケース」などが見られました。
工法別費用目安(耐震診断→補強工事)

耐震リフォームの費用は「どこを補強するか」「構造状態がどうか」で大きく変動します。
ここでは一般的な木造戸建てを前提に、代表的な工法別の費用目安をまとめます。
1. 耐震診断(必須工程)
工事前の状態を把握するための診断費です。
- 一般診断(図面あり):5〜10万円
- 詳細診断(壁量計算+劣化調査):10〜20万円
- 図面なし再作成(採寸+現況調査):5〜15万円追加
診断の精度が低いまま工事を始めると、
「必要な補強ができない」「コストが余分にかかる」
などの失敗につながるため、詳細診断を推奨します。
2. 壁の耐震補強(最も一般的)
壁補強は最も効果・費用バランスが良く、日本の耐震工法の中心です。
費用目安:1箇所あたり 20〜50万円
内訳:
- 構造用合板の追加
- 金物補強
- 内壁復旧工事
- 下地調整・クロス張り替え
一般的な戸建てで 4〜10箇所 に施工されるケースが多く、
総額は 80〜250万円 が相場となります。
3. 筋交い追加工事(壁の強度アップ)
既存壁の強度が足りない場合、筋交い(すじかい)を追加します。
費用:1箇所 15〜35万円
構造用金物も追加されるため、費用幅が大きくなります。
4. 基礎補強(ひび割れ補修〜増し打ち)
築40年前後で最も劣化しやすい箇所が「基礎」です。
工法別費用:
| 工法 | 費用目安 |
|---|---|
| ひび割れ補修 | 3〜10万円/箇所 |
| エポキシ注入 | 5〜15万円/箇所 |
| 炭素繊維シート補強 | 20〜50万円/面 |
| 基礎増し打ち(全面補強) | 80〜250万円 |
基礎増し打ちは費用が高いですが、
地震時の倒壊リスクを大きく減らす効果があります。
5. 金物補強(柱・梁の接合部)
古い住宅は接合部の金物が弱く、外れているケースもあります。
費用:1箇所 1.5〜3万円
施工数によりますが、総額 10〜30万円 ほどです。
6. 耐震ブレース(制震ダンパー併用も)
最新の工法として、
- 鋼製耐震ブレース
- 制震ダンパー
などを併用する例も増えています。
費用:1箇所 30〜80万円
費用は高めですが、
揺れを吸収できるため体感的な揺れが大幅に軽減されます。
7. 全面耐震リフォーム(大規模)
※築40年前後の家で選ばれやすい工法
- 総額:200〜500万円
- 壁補強+基礎補強+金物補強
- 内装復旧含む
地域・構造により幅がありますが、
「屋根軽量化」まで含むと 300〜600万円 になることもあります。
→ 耐震補強の全体構造や考え方は「耐震総合ガイド」で解説しています。
既存図面なし・劣化大の追加費用

築40年前後の家では、図面が残っていないケースが多く、
耐震診断にかかる手間と費用が増える傾向があります。
また、劣化が進行していることもあり、
追加補修が必要になる場面が少なくありません。
1. 図面なしの追加調査費
図面がない場合、以下の作業が追加されます。
- 間取り採寸
- 天井裏・床下の構造確認
- 配管調査
- 使用材料・梁成の確認
追加費用:5〜15万円
この工程を省くと、補強の位置を誤り事故につながるため、
必ず調査を実施することが重要です。
2. 劣化状況に応じた追加費用
築40年前後の木造住宅でよく見られる劣化例と追加費用は以下のとおりです。
■ 柱の腐食・シロアリ被害
- 被害小:5〜15万円
- 被害中:15〜40万円
- 被害大(柱交換):30〜80万円
■ 基礎のひび割れ・欠損
- ひび補修:3〜10万円
- 欠損補修:10〜30万円
- 基礎補強:50〜200万円
■ 屋根の重量が重い(瓦屋根)
瓦は重いため、耐震性能に大きく影響します。
- 瓦→軽量金属屋根:100〜200万円
屋根軽量化は耐震性能改善に非常に効果的です。
3. 追加費用が膨らみやすいケース
以下の条件が複数当てはまると費用が上がります。
- 旧耐震(1981年以前)
- 土台・柱・梁に腐食が多い
- 雨漏り跡やシロアリ痕がある
- 基礎コンクリートに複数の亀裂
- 施工履歴が不明
逆に言えば、築40年でも
構造状態が良好な場合はコストを抑えて施工可能です。
→ 耐震判断の流れは「増築・建て替え判断フロー」でも詳しくまとめています。
築40年前後の注意点(旧耐震/耐震等級0のリスク)

築40年前後、つまり1980年代前半以前に建てられた住宅は、
現行基準とは異なる「旧耐震基準(1971〜1981)」で設計されている可能性が高く、
耐震補強は必須級といえます。
1. 旧耐震(1981年以前)の住宅とは
旧耐震は 震度5強程度で倒壊しない ことを前提としており、
近年の被害を見れば、現行の「震度6強〜7にも耐える」基準とは大きな差があります。
旧耐震住宅で多い特徴:
- 壁量が不足している
- バランス良く耐力壁が配置されていない
- 接合金物が少ない
- 基礎が無筋(鉄筋なし)である可能性
- 屋根が重く重心が高い
特に
無筋コンクリートの基礎は地震に極めて弱い
ため、補強の優先順位が高くなります。
2. 築40年で最も注意すべきポイント
■ 耐震不足×老朽化のダブルリスク
築40年前後は
- 柱の腐食
- 土台のシロアリ
- 基礎の劣化
が重なりやすく、耐震性がさらに低下します。
■ 間取りと耐力壁のバランス崩壊
増改築によって後から壁を撤去しているケースも多く、
建築当初の耐震バランスが崩れている家もあります。
■ 配管・電気の劣化も同時進行
床下配管・電気配線も耐用年数を迎えており、
耐震工事の際に同時交換が必要になることもあります。
3. どこから手をつけるべきか(優先順位)
築40年前後の耐震リフォームでは、以下の優先順位が一般的です。
- 基礎の健全化(ひび割れ・鉄筋の有無)
- 耐力壁の不足分を補う(壁補強)
- 接合金物の追加(柱・梁)
- 屋根の軽量化(必要に応じて)
この順番で進めると、費用効率よく耐震性能を高められます。
まとめ:築40年前後は「診断の質」が費用を左右する

耐震リフォームは「補強すれば終わり」ではなく、
“家の状態を正確に把握してから設計する”ことが最重要です。
築40年前後の家は
- 劣化の個体差が大きい
- 図面が残っていない
- 後から増改築されている
こともあり、診断の精度が費用差を生みます。
信頼できる業者なら、
「必要な補強」と「不要な工事」の線引きを明確にしてくれます。
耐震リフォームは命と資産を守る投資です。
正確な調査と比較検討を行い、納得のいく補強を進めましょう。


