玄関や勝手口は、家の中でも「熱」と「音」が最も出入りしやすい場所です。
ドアの隙間やガラス部分から冷気・騒音が侵入し、暖房効率を下げるだけでなく、快適性も大きく損なわれます。
この記事では、断熱・防音・二重扉の基本性能から費用・施工方法までをわかりやすく解説。
「玄関が寒い」「外の音が気になる」「結露が多い」と感じている方に役立つ内容です。

古いアルミ玄関ドアを断熱仕様に交換。朝の冷え込みがなくなり、玄関の温度差が緩やかに。見た目もスタイリッシュで家全体が暖かく感じます。

交通量の多い通り沿いで防音ドアを導入。以前は車の音が響いていましたが、今ではほとんど気になりません。防音と断熱が同時に改善されました。

寒冷地で玄関に二重扉と風除室を設置。外気が直接入らなくなり、結露やドアの凍結も防止。暖房効率が上がり、光熱費も抑えられています。

みんなの声としては「玄関の冷えがなくなり冬も快適に」「幹線道路沿いでも静かな玄関に」「風除室を設けて玄関が結露しなくなった」などが見られました。
断熱等級/気密/熱貫流率の基礎

断熱ドアの性能を正しく理解するには、まず「断熱等級」「気密性能」「熱貫流率(U値)」という3つの指標を知る必要があります。
■ 断熱等級とは
断熱等級は、建物全体の断熱性能を示す基準で、住宅性能表示制度によって定められています。
玄関ドア単体の性能は、使用する素材や構造によって大きく異なります。
| 等級 | 主な地域対応 | 玄関ドアに求められる断熱仕様例 |
|---|---|---|
| 等級4(旧最高等級) | 北海道・東北 | 高断熱パネル+複層ガラス |
| 等級5 | 全国主要都市 | 樹脂複合枠+断熱パネル |
| 等級6〜7 | ZEH基準・寒冷地仕様 | トリプルガラス・高気密構造 |
最近のリフォーム向け玄関ドアは、等級5〜6相当の断熱性能を備えており、室内温度の安定に大きく寄与します。
■ 気密性能(C値)
気密性能とは、ドアや窓の隙間の少なさを表す数値。
値が小さいほど隙間が少なく、冷暖房効率が高まります。
玄関ドアでは「パッキン構造」や「モヘア(毛状パッキン)」が隙間風を防ぐ重要な要素。
特に最新モデルは、ドア枠と扉の接触面に二重パッキン構造を採用し、冷気や騒音の侵入をしっかりブロックします。
■ 熱貫流率(U値)
U値とは、建材1㎡あたりにどれだけ熱が通過するかを示す数値(単位:W/㎡・K)。
数値が低いほど断熱性能が高いことを意味します。
| ドアの種類 | 熱貫流率(U値) | 備考 |
|---|---|---|
| アルミ製非断熱ドア | 約6.0〜7.0 | 古い玄関ドアに多い |
| 断熱ドア(発泡ウレタン+アルミ) | 約2.0〜3.0 | 現在の主流タイプ |
| 高断熱樹脂複合ドア | 約1.5〜2.0 | ZEH対応クラス |
■ 断熱ドアに交換する効果
- 冬の玄関温度が 5〜10℃上昇
- 夏の冷房効果が 約10〜15%向上
- 結露の発生が減り、カビ・ニオイ対策にも効果的
玄関引き戸など、開口部のリフォーム工法別の違いについてはこちら。
防音性能(遮音等級/気密/隙間対策)

近年は、**外の騒音や道路音を遮るための「防音玄関ドア」**も注目されています。
防音性能は「遮音等級(T値)」で表され、T-1〜T-4までのランクがあります。
■ 遮音等級(T値)の目安
| 遮音等級 | 音の減少目安 | 対応レベル |
|---|---|---|
| T-1 | 約25dB減少 | 通常の住宅街向け |
| T-2 | 約30dB減少 | 幹線道路・学校近く |
| T-3 | 約35dB減少 | 鉄道・交通量多い環境 |
| T-4 | 約40dB減少 | 防音室レベル |
一般的なリフォーム用玄関ドアはT-2〜T-3等級相当が主流です。
■ 防音構造のポイント
- 気密パッキン:扉と枠の隙間を密閉
- 複層ガラス:中空層で音の伝達を遮断
- 重量ドアパネル:音振動を吸収
- 床下の密着シール:下部からの漏れを防ぐ
特に「防音と断熱」は構造が共通しており、防音性能の高いドア=断熱性能も高い傾向にあります。
■ 防音ドアの費用相場
| 種類 | 費用相場(税込) | 工期 |
|---|---|---|
| 防音玄関ドア(T-2等級) | 約35〜55万円 | 1〜2日 |
| 防音勝手口ドア | 約20〜35万円 | 1日 |
| 室内防音ドア(寝室・書斎) | 約10〜25万円 | 半日〜1日 |
■ 防音リフォームのコツ
- ドア単体だけでなく壁・床・天井との気密性も重要
- ドア下のアンダーカット(隙間)を塞ぐことで効果アップ
- 遮音ゴムや防音テープでDIY補強も可能
断熱・防音効果をさらに高めたい方は、窓や内窓リフォームも併せて検討しましょう。
二重扉・風除室の可否と費用

玄関を2枚のドアで仕切る「二重扉」「風除室」は、北海道や寒冷地では一般的な断熱対策です。
リフォームでも後付けが可能で、冷気・騒音・花粉対策に有効です。
■ 二重扉(内側・外側ドア)の構造
玄関外側にメインドア、内側にガラス引き戸などを設置する方式。
ドアとドアの間にできる空気層が断熱壁の役割を果たします。
効果:
- 冬の冷気侵入を防ぐ
- 防犯性・防音性アップ
- 花粉やホコリの侵入抑制
■ 風除室(エントランス空間)の設置
玄関外にガラス張りの小空間(風除室)を設ける方法。
開閉時の気温差を抑え、雪・雨・風の吹き込みを防ぎます。
費用相場:
- 二重玄関ドアリフォーム:約60〜100万円
- 風除室設置(アルミサッシ+屋根):約80〜150万円
- 工期:2〜4日
■ 設置時の注意点
- 玄関スペースが狭い場合は開口幅の確保が難しい
- 外壁との取り合い部分の気密・防水処理が重要
- 玄関ポーチ照明や郵便受けの位置も変更が必要になる
二重扉リフォームに合わせて、デザインや素材を統一する方法はこちら。
勝手口の断熱強化ポイント

勝手口は、キッチンや洗面所などの「冷気が入りやすい裏口」として、
玄関同様の断熱・防音対策が求められます。
■ 勝手口ドアの種類と特徴
| タイプ | 特徴 | 費用相場 |
|---|---|---|
| アルミ断熱ドア | 低コスト・軽量 | 約10〜20万円 |
| 樹脂複合ドア | 高断熱・結露防止 | 約20〜35万円 |
| 通風タイプ | 網戸+開閉窓付き | 約25〜40万円 |
特に通風タイプは、ドアを閉めたまま換気ができるため人気が高いです。
■ 断熱リフォームのポイント
- 複層ガラス仕様を選ぶ(単板ガラスは熱が逃げやすい)
- 下枠・側枠に断熱パッキンを設置する
- カバー工法で短工期施工(1日で完了)
■ 勝手口リフォームの施工手順(カバー工法)
- 既存ドアの撤去
- 既存枠を残して新枠を被せる
- 新ドア本体を取付
- パッキン・気密調整
- 最終仕上げ・動作確認
■ メーカー別おすすめシリーズ(例)
| メーカー | シリーズ | 特徴 |
|---|---|---|
| LIXIL | リシェント玄関・勝手口 | カバー工法対応・断熱/通風タイプ豊富 |
| YKK AP | ドアリモ | 1日リフォーム可能・防音断熱性能高 |
| 三協アルミ | ノバリス | デザイン多彩・断熱性能と強度バランス良好 |
■ 助成金・補助金も活用可能
国交省の「住宅省エネキャンペーン」や自治体の断熱改修補助金の対象になるケースがあります。
工事内容・製品性能(U値・熱貫流率)を証明できる資料を業者に確認しましょう。
まとめ:断熱・防音ドアで玄関まわりの快適性を底上げ

玄関・勝手口ドアを断熱・防音仕様に変えることで、
- 冬の冷気侵入を防ぐ
- 騒音・結露を軽減
- 光熱費を削減
- 快適で静かな住空間を実現
費用は玄関ドアで約30〜60万円/勝手口で約20〜40万円が目安。
壁を壊さないカバー工法なら、最短1日で施工可能です。
外観デザイン・性能・コストのバランスを比較しながら、
住まい全体の断熱性・防音性を底上げしましょう。
開口部全体の断熱リフォームを検討するなら、窓・内窓リフォームの基礎知識も確認を。



