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断熱リノベーションの基礎(中古住宅・古民家の寒さ対策)

リフォーム箇所・種類別

中古住宅や古民家を購入して住み始めると、多くの人が最初に直面する悩みが「冬の寒さ」「夏の暑さ」「結露」「湿気」です。
その原因の大半は、築年数の古い住宅に共通する 断熱不足・気密不足・劣化した窓性能 にあります。

断熱リノベーション(性能向上リフォーム)は、単に「壁に断熱材を入れる」ことではありません。
家を外気と区切り、暖かさ・涼しさを逃がさず、湿気をためない「快適な家の基礎」を作る工事です。
特に中古住宅・古民家では、

  • 壁内が無断熱
  • 床下に断熱材がない
  • 屋根断熱が不足している
  • 隙間だらけの窓まわり
    という“現代基準を満たさない構造”のまま住むケースが非常に多く、そのままだと住んでからの光熱費・結露・体調への影響が大きくなります。

この記事では、断熱リノベの基礎知識から、優先順位、費用・補助金、間取り変更と同時に行うメリットまで全体像を体系的に解説します。

以下の記事で費用全体を整理しておくと理解が深まります。
→「リノベ費用総論」


中古マンション・戸建て・古民家の構造差については
→「中古マンションリノベ/中古戸建て」


古民家特有の寒さ・湿気については
→「古民家リノベ」


団地や平屋・空き家の断熱計画については
→「団地・平屋・空き家リノベ」

築35年の戸建てを断熱リノベ。内窓と天井断熱で冬の寒さが激減し、光熱費も下がりました。見た目より性能を優先したのが大正解でした。

古民家を購入しましたが、とにかく寒くて大変でした。屋根と床断熱を入れたところ、夏も冬も快適になり家の価値が一気に上がりました。

団地リノベの際、内窓だけで大きく変化。遮音も改善され、夜も静かで過ごしやすい空間に。窓から手を付ける重要性を実感しました。

りおと
りおと

みんなの声としては「築35年の戸建てを断熱リノベ」「古民家を購入しましたが、とにかく寒くて大変でした」「団地リノベの際、内窓だけで大きく変化」などが見られました。


断熱リノベの考え方(屋根/外壁/窓/床/気密の5要素)

断熱性能は「家のどこに熱が逃げるか」を理解することから始まります。
日本の住宅の熱損失は以下の割合が一般的です。

  • 窓:50〜60%(最大)
  • 屋根・天井:10〜15%
  • 外壁:15〜25%
  • 床:5〜10%
  • 換気漏気(すきま風):10〜20%

「窓」と「屋根」の改善だけでも体感温度が大きく変わる理由は、ここにあります。


屋根・天井断熱

最も効果が出やすいのが屋根・天井です。
中古住宅では以下の問題が多く見られます。

  • 天井裏が無断熱
  • 古いグラスウールが湿気でへたれている
  • 気流止め(隙間止め)が不十分で熱が抜ける
  • 小屋裏が外気と同じ状態

工法の種類

・天井断熱(上から敷く)
断熱材を天井面に追加する工法。費用対効果が高い。

・屋根断熱(屋根側に施工)
屋根に直接断熱材を投入。天井を抜いたり、小屋裏利用する場合に有効。

効果

  • 冬の冷え込みの改善
  • 夏の2階の暑さ軽減
  • エアコン効率が向上

古民家の場合、屋根断熱を強化することで「夏の高温問題」が大幅に改善します。


外壁断熱(内断熱/外張り断熱)

中古住宅では、外壁の内部が無断熱であることが非常に多いです。

工法

① 内断熱(壁の内側に施す)
壁を剥がして断熱材を充填。最も一般的。

② 外張り断熱(外側から包む)
既存外壁の外側に断熱材を貼り付ける高性能工法。
気密性が高く、古民家や寒冷地で多い。

外壁断熱の注意点

  • 結露リスクを考慮した「透湿防水シート」が必須
  • 古民家は土壁の処理に専門的な判断が必要

窓断熱(最も費用対効果が高い)

住宅の熱が最も逃げるのは窓。
築20〜40年の住宅は、

  • アルミ単板ガラス
  • アルミ+アルミのサッシ
    がほとんどで、断熱性は現代基準より大きく劣ります。

改善方法(効果が高い順)

① 内窓(二重窓)を追加する

  • 費用:8〜20万円/1窓
  • 効果:断熱+防音+結露削減
  • 施工:1時間程度

② サッシ交換(窓枠ごと交換)

  • 費用:15〜40万円/1窓
  • 築古では最も改善効果が高いが、外壁補修が必要になる場合あり

③ ガラス交換のみ

  • 小規模予算向け

窓は最優先の断熱ポイントです。


床断熱(冷えの原因 No.2)

床下が外気とつながっている場合、冬の体感温度が大幅に下がります。

工法

・床下断熱(床下から施工)
床を剥がさずに施工できるため費用が抑えやすい。

・床断熱(床を剥がして施工)
精度が高く、床材の交換と同時に行うケースが多い。

古民家では床を全面撤去して土台からやり直すことも多く、床断熱はリノベの要となります。


気密(断熱材だけでは暖かくならない)

断熱リノベで見落とされがちなのが「気密」です。
隙間があると、断熱材の効果は半減します。

気密のチェックポイント

  • 窓周りの気密テープ
  • コンセント周りの気流止め
  • 天井・床の隙間
  • 壁と躯体接合部

リノベの満足度は「気密」で決まると言っても過言ではありません。


中古住宅・古民家での断熱リノベの優先順位

物件タイプによって、工事の優先順位は大きく異なります。


中古住宅(築15〜35年)

  1. 窓断熱(内窓 or サッシ交換)
  2. 天井断熱
  3. 床断熱
  4. 外壁断熱(間取り変更と同時)

一般的な中古住宅ではこの順番が“費用効率×効果”の最適解です。


古民家(築40〜80年以上)

古民家は「断熱ゼロ・気密ゼロ」が基本です。

  1. 屋根断熱(必須)
  2. 床断熱(腐朽部の更新)
  3. 窓断熱(内窓・サッシ改善)
  4. 外壁断熱(土壁処理)
  5. 気密補強(床裏・天井裏)

土壁をどう扱うかは専門家の判断が必須。
古民家は「断熱リノベの最難関」と言われます。

古民家の劣化・断熱の詳細はこちら
→「古民家リノベ」


団地・平屋・空き家の場合

団地・平屋・空き家は構造が異なるため、優先順位も変わります。

  • 団地:窓+床断熱が優先。外壁断熱は不可。
  • 平屋:屋根断熱の効果が非常に大きい。
  • 空き家:まず劣化補修 → 断熱の流れが必須。

各物件タイプ別はこちら
→「団地・平屋・空き家リノベ」


断熱リノベの費用感(一般的な目安)

あくまで全国平均の一般論として示します。


1. 窓断熱(最も費用対効果が高い)

工法費用目安
内窓設置8〜20万円/1窓
サッシ交換15〜40万円/1窓
ガラス交換3〜10万円/1枚

2. 屋根・天井断熱

工事費用
天井断熱増し(天井裏)15〜40万円
屋根断熱(屋根側から)50〜120万円

3. 外壁断熱

工事費用
内断熱(壁内充填)40〜120万円
外張り断熱100〜250万円

4. 床断熱

工事費用
床下施工15〜30万円
床剥がし施工40〜90万円

5. 断熱リノベのトータル費用(60〜80㎡)

断熱レベル費用
最低限(窓+天井)25〜70万円
基本セット(窓+天井+床)60〜150万円
外壁・屋根含むフル断熱150〜350万円

最大のポイントは「間取り変更と同時が安い」ことです。


補助金の考え方(一般論)

断熱は国の政策で強く推奨されており、補助金が豊富です(年度で変動)。

  • 内窓設置
  • 高性能窓交換
  • 断熱材の施工
  • 省エネ設備
  • 断熱ドア

補助金額は 5〜200万円 と幅があります。

※制度名・金額は年度で変更されるため、最新情報は国交省・環境省・自治体サイトで確認。


間取り・設備更新と同時に断熱をするメリット

断熱リノベは「単独工事」より「全面リノベとの同時工事」の方が圧倒的に効率が良いです。


メリット1:壁・床・天井を開けるタイミングが同じ

間取り変更・配管更新を行うと

  • 天井

がすでに開いているため、断熱の施工手間が激減します。


メリット2:気密施工の精度が上がる

開口部がしっかり見える状態で断熱材を入れるため、
気密レベルの精度が高くなり、性能が安定します。


メリット3:光熱費削減が即効で出る

断熱を先に行うと、生活開始後の光熱費が大幅に下がります。


【まとめ】断熱リノベは「窓 → 屋根 → 床 → 外壁 → 気密」の順で考える

中古住宅・古民家のリノベでは
「見た目を変える前に、家の性能を整える」
ことが最も大切です。

  • 冬の寒さがつらい
  • 結露に悩んでいる
  • エアコンが全然効かない
  • 古民家で快適に暮らしたい

という悩みは、断熱リノベでほとんど改善できます。

全体費用と比較したい方はこちら
→「リノベ費用総論」


中古マンション・戸建て・古民家の構造差については
→「中古マンションリノベ/中古戸建て」


古民家特有の寒さ・湿気については
→「古民家リノベ」


団地や平屋・空き家の断熱計画については
→「団地・平屋・空き家リノベ」