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庭を潰して増築|増築可否の判断と代替案を徹底解説

リフォーム箇所・種類別

「庭のスペースを使って部屋を広げたい」「平屋にもう1部屋欲しい」と考える方は多いものです。
しかし、庭を潰して増築するには、建築基準法・建ぺい率・容積率・防火地域の制限など、クリアすべき条件が多数あります。

この記事では、庭を増築に活用する際の**法的な可否判断・費用目安・代替案(インナーテラスやガーデンルーム)**までを詳しく解説します。
最後に「増築可否フローチャート」も掲載していますので、判断の目安としてご活用ください。

築30年の家を庭側に3坪増築しました。建ぺい率ギリギリでしたが確認申請を経て実現。小さな書斎ができ、家での時間が快適になりました。

当初は庭を潰して子供部屋を増築予定でしたが、容積率に余裕がなく断念。代わりにガーデンルームを設置し、家族の憩いの場にしました。

防火地域のため増築費用が高くなり断念。代替でインナーテラスを導入しましたが、採光と風通しが良く、結果的に満足しています。

りおと
りおと

みんなの声としては「建ぺい率ギリギリでしたが確認申請を経て実現」「容積率に余裕がなく断念」「防火地域のため増築費用が高くなり断念」などが見られました。


増築の可否判断(法規/建ぺい率/容積率/斜線/防火)

庭を潰して増築できるかどうかは、法的条件を満たしているかで決まります。
建築確認申請が必要になるケースも多く、リフォームよりハードルは高めです。

建ぺい率と容積率の確認

まず最初に確認すべきは、**建ぺい率(けんぺいりつ)容積率(ようせきりつ)**です。

  • 建ぺい率=敷地面積に対する建築面積の割合
  • 容積率=敷地面積に対する延床面積の割合

例:敷地100㎡で建ぺい率60%なら、建築面積は最大60㎡まで。
この上限を超えていると、庭を潰しての増築はできません。

容積率も同様で、たとえば200%の場合、延床面積の合計が200㎡を超えると増築不可になります。
庭部分に余地があっても、法的制限で増築できないケースが多いのです。

確認方法:

  • 建築確認済証や登記簿で延床面積を確認
  • 自治体の都市計画課で地域の指定値を確認

斜線制限と隣地境界

建物の高さ方向の制限も重要です。
庭に部屋を増やす場合、北側斜線・道路斜線・隣地斜線が影響します。

特に住宅密集地では、北側隣地への日照を確保するため、建物の高さや屋根勾配に制限があります。
これを超えると確認申請が下りません。

また、隣地境界線から50cm以上離すことが民法上の原則です。
敷地いっぱいに増築すると、将来のメンテナンスや通風にも支障が出ます。

防火・準防火地域の制限

都市部では、防火地域・準防火地域に指定されているエリアがあり、
この場合は壁・開口部・屋根の仕様に厳しい基準が設けられています。

  • 外壁・軒裏は防火構造以上
  • 窓は網入りガラスや防火サッシ
  • 建物の構造によっては鉄骨または耐火木造構造が必要

小規模な増築でも、構造変更が伴うためコストが上がる傾向にあります。

増築の手続きと申請の流れ

庭を潰して建物を拡張する場合、確認申請が必要になるケースが多くあります。

申請が必要なケース:

  • 増築部分の面積が10㎡を超える(防火地域内の場合は1㎡でも必要)
  • 住宅の構造や耐震性に影響を与える改修

申請が不要なケース(例外):

  • 木造住宅の平屋で、10㎡未満の小規模な増築
  • 構造に影響を与えない軽微なデッキや物置の設置

いずれの場合も、建築士やリフォーム会社による図面確認が必須です。


→ 同様に構造物を増やす「ガレージ増築」の注意点は別記事で詳しく解説しています。


費用目安と工程(基礎/構造/外装/外構復旧)

庭を潰して増築する場合の費用は、工法・構造・外装仕様によって大きく変わります。
ここでは、一般的な木造住宅を想定した目安を紹介します。

費用相場の目安

工事項目内容費用目安(税込)
基礎工事ベタ基礎または布基礎の打設約10〜20万円/坪
構造工事柱・梁・屋根など木造軸組み施工約20〜30万円/坪
断熱・内装壁・床・天井・断熱材・クロス等約15〜25万円/坪
外装・屋根サイディングや瓦一体施工約10〜20万円/坪
設備・電気・給排水コンセント・照明・配管工事約5〜10万円/坪
外構復旧庭・フェンス・舗装の復旧約10〜20万円程度

合計相場:1坪あたり60〜100万円程度。
6畳(約3坪)の増築で、180〜300万円前後が一般的な目安です。

ただし、防火地域や2階建て構造などになると、150%以上に上がることもあります。

増築の施工工程

庭を潰しての増築は、通常のリフォームより工程が多くなります。

  1. 現地調査・設計プランニング
     建物構造・敷地・地盤を確認。建築士がプランと図面を作成。
  2. 確認申請・許可取得
     10㎡以上の増築は申請を提出。許可まで2〜4週間が目安。
  3. 基礎工事
     庭の地面を掘削し、基礎コンクリートを打設。配筋検査を行い、強度を確保。
  4. 構造・屋根工事
     木造軸組みや鉄骨フレームを組み、屋根を取り付け。既存建物との接合部を補強。
  5. 断熱・内装・電気設備工事
     壁・床・天井に断熱材を施工し、内装仕上げを行う。照明・エアコン・配管も同時施工。
  6. 外壁・サッシ・仕上げ
     既存外壁とデザインを揃え、シーリング・塗装を実施。
  7. 外構復旧・整地
     庭や通路を再整備し、排水経路やフェンスを元に戻す。

工期の目安:2〜3ヶ月程度(小規模増築)

施工中は一時的に庭が使えなくなるため、
駐車場や通路の動線も事前に確保しておく必要があります。


→ 全体の費用構成やリフォーム項目ごとの価格差は「費用総論」の記事で詳しく解説しています。


代替案:インナーテラス/ガーデンルーム/デッキ拡張

庭を潰しての「増築」が難しい場合でも、半屋外空間の活用で快適性を向上させる方法があります。

ここでは、構造変更を伴わない「建築確認不要」の代替案を紹介します。

インナーテラス(サンルーム型)

リビングの延長として人気なのがインナーテラス(サンルーム)。
屋根とサッシで囲いながら、採光と風通しを確保できます。

特徴

  • 建築面積に含まれない場合が多く、確認申請不要
  • 雨の日の洗濯干しやペットスペースに最適
  • 施工費:10〜30万円/㎡程度(ガラス+アルミ構造)
  • 工期:2〜4日

注意点

  • 床を屋内と同じ高さにする場合は防水施工が必要
  • 夏場は室温が上がりやすいため、断熱対策を

ガーデンルーム(独立型)

ガーデンルームは、独立した半屋外空間として設置するタイプです。
屋根付きウッドデッキやガラス張りサンルームなど、デザインの自由度が高いのが特徴。

メリット

  • 建物構造に影響を与えず設置可能
  • 外観のアクセントにもなる
  • 確認申請不要(地域により例外あり)
  • 費用:50〜150万円程度

デメリット

  • 暖房・冷房の効きが弱い
  • 雨仕舞(あまじまい)や結露対策が必要

デッキ拡張(半屋外代替)

既存のウッドデッキやタイルデッキを拡張するのも現実的な代替策です。
床下の基礎が軽く、法的制約も少ないため、施工が容易。

施工費の目安

  • 木製ウッドデッキ:3〜6万円/㎡
  • 樹脂デッキ:4〜8万円/㎡
  • タイルデッキ:6〜10万円/㎡

工期:1〜2日程度

見た目にも美しく、リビングの延長空間として利用できるため、
「部屋を増やす」ほどの費用をかけずに暮らしのゆとりを拡張できます。


→ 半屋外空間を有効活用する「デッキリフォーム」については別記事で紹介しています。


増築可否を判断するフローチャート

庭を潰して増築できるか? を簡易的に判断できるフローチャートです。

敷地に余裕があるか?
 ↓
建ぺい率・容積率に余裕がある
 ↓
増築部分が10㎡以上 → 建築確認申請が必要
 ↓
防火地域かどうかを確認
 ↓
構造・接合部の強度が確保できる
 ↓
OK:増築可能
×:代替案(インナーテラス・ガーデンルーム)を検討

まとめ|庭を潰しての増築は「法規チェック+代替案検討」がカギ

庭を潰して増築するには、法規制・費用・構造上の制約をすべてクリアする必要があります。

ポイントまとめ

  • 建ぺい率・容積率に余裕がなければ増築不可
  • 防火地域や隣地境界にも注意
  • 費用は1坪あたり60〜100万円が目安
  • 難しい場合は、ガーデンルームやデッキ拡張で代替可能

まずは現地調査と図面確認を行い、**「できる増築」と「できない増築」**を明確にしましょう。
法的リスクを避けながら、快適な住空間を広げることが可能です。