「外壁が汚れてきたけれど、業者に頼むと高そう…」「自分で塗装して節約できないかな?」
そんな思いから外壁DIYを検討する方は少なくありません。
確かに、外壁塗装や補修の一部はDIYでも可能です。
ただし、外壁は住宅の寿命を左右する重要な部分。
間違った方法で行うと、かえって高額な再工事費用がかかるケースもあります。
この記事では、外壁リフォームをDIYで行う際の範囲・費用・注意点を詳しく解説します。
また、プロに依頼する場合との違いや、安く抑えるためのコツも紹介します。

2階は危険なので業者に任せ、1階部分だけを自分で塗装。費用は半分以下で済み、思った以上にきれいに仕上がりました。

休日に家族で塗装を楽しみながら作業。仕上がりは素人っぽいですが、達成感があり、家への愛着も増しました。

自分でコーキングした部分から雨漏りが発生。業者に見てもらい再施工してもらいました。やはり専門知識は大事です。

みんなの声としては「1階部分だけDIYで塗装成功」「家族と協力してDIYリフォーム」「プロに再施工を依頼して安心」などが見られました。
DIYでできる/できないの線引き

外壁DIYの最大のポイントは、**「自分でできる範囲」と「業者に任せるべき範囲」**を見極めることです。
誤った判断で危険な作業を行うと、転落事故や建物損傷につながるリスクもあります。
【DIYでできること】

一般の方でも比較的安全に取り組めるのは、以下のような表面仕上げや軽微な補修作業です。
- 1階部分の外壁塗装(低所のみ)
- モルタルやサイディングの軽いひび割れ補修
- 外壁の洗浄(高圧洗浄機を使用)
- コーキング(シーリング)の打ち替え
- 外壁装飾のペンキ塗り替え
これらは足場を組まずに届く範囲であればDIYでも安全に行えます。
また、ペイントやシーリングは市販品も多く、初心者でも扱いやすいです。
【DIYでは難しいこと】

次のような作業は、専門知識・安全装備・資格が必要なためDIYは避けましょう。
- 2階以上の塗装(高所作業・足場設置が必要)
- 外壁下地の張り替え、サイディング交換
- 外壁材の浮きや膨れ修繕
- 塗装前のケレン(旧塗膜除去)・防水下地処理
- 外壁断熱リフォーム
これらは見た目だけでなく、構造部分の劣化や防水性能に関わる作業です。
不適切な施工をすると、雨漏りや壁内部の腐食を引き起こす恐れがあります。
プロに任せる判断基準

「外壁の汚れや劣化が目立ってきたけど、どこまでDIYできるのかわからない」という場合は、
まず専門業者に現地調査だけ依頼し、DIYで可能な範囲をアドバイスしてもらう方法もおすすめです。
→ 「外壁リフォーム費用の相場」についてはこちら:
工事内容別の価格や費用を抑えるコツを詳しく紹介しています。
DIY費用と必要工具

DIYで外壁を塗装・補修する場合、材料費・工具代が主なコストになります。
ここでは具体的な費用目安と、最低限そろえておきたい道具を紹介します。
1. DIY外壁塗装の費用相場
| 項目 | 費用目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 塗料代 | 約15,000〜50,000円 | 20〜30㎡分(外壁1階部分) |
| 高圧洗浄機 | 約15,000円 | 洗浄用(レンタル可) |
| 養生シート・テープ | 約2,000〜3,000円 | 窓・床の保護 |
| ローラー・刷毛 | 約2,000〜4,000円 | 塗装用 |
| 下地補修材(パテ・コーキング) | 約3,000〜6,000円 | ひび割れ補修用 |
| はしご・脚立 | 約5,000〜10,000円 | 高さ対応により異なる |
合計すると、1階部分をDIYで塗り替える場合は約3〜7万円前後が目安です。
業者に依頼した場合は同面積で15〜30万円前後になるため、人件費分を節約できる形になります。
2. DIYに必要な工具・材料
基本ツール
- ローラー・刷毛(塗り分け用に2〜3本)
- ペイントトレー・ローラーバケット
- 養生テープ・マスカー
- 高圧洗浄機(またはホース)
- 脚立または足場台
- コーキングガン
- 作業用手袋・防塵マスク
塗料の種類(初心者向け)
- 水性シリコン塗料:扱いやすく耐久性も◎
- ラジカル制御塗料:紫外線に強く長持ち(人気上昇中)
- 遮熱塗料:夏の室温上昇を防ぐ
屋外用塗料は「外壁用」「防カビ」「防藻」などの表示を必ず確認しましょう。
3. DIY作業の手順(概要)

- 外壁洗浄(汚れ・コケを落とす)
- ひび割れ補修・コーキング打ち替え
- 下塗り(密着性アップ)
- 中塗り・上塗り(2〜3回重ね塗り)
- 乾燥・仕上げ確認
塗装は天候に左右されるため、晴天が3日以上続く時期を選ぶのが理想です。
安くする3原則(スコープ最適化/時期/比較)

外壁DIY・リフォームを安く抑えるための3つの基本原則を紹介します。
「スコープ」「時期」「比較」の3点を意識するだけで、費用を1〜3割削減できることもあります。
1. スコープ(施工範囲)の最適化
すべてをDIYで行おうとせず、できる部分だけ自分で、難しい部分はプロに任せるのが最も合理的です。
たとえば、
- 1階部分の塗装はDIY
- 2階・屋根付近は業者に依頼
と分けることで、安全かつ効率的に費用を抑えられます。
また、外壁塗装と一緒に雨樋・破風板・玄関ドアなどもまとめて依頼すると、
足場を共有できて工事コストが下がる場合もあります。
2. 時期を見極める
外壁塗装の需要が集中する春・秋は、繁忙期で費用が高くなる傾向があります。
逆に、夏や冬の閑散期は業者が値引きキャンペーンを行うことも多いため、
「時期をずらす」だけで数万円の差が出ることもあります。
DIYの場合も、気温15〜25℃・湿度70%以下の時期が理想です。
寒暖差が激しい季節は乾燥が不十分になり、塗料の剥がれにつながります。
3. 業者比較で最安値を見つける
DIYが難しい部分は、複数業者の見積もりを比較して最も条件の良い会社を選びましょう。
1社だけに決めると高い見積もりを受け入れてしまうケースが多いです。
「外壁リフォーム一括見積もりサービス」を使えば、
地元業者や大手リフォーム会社の価格を一度に比較でき、相場感もつかみやすくなります。
→ 「DIYが難しい場合は、プロの見積もりを比較」
失敗例と再工事コスト

DIYの魅力は費用の安さですが、知識不足による失敗が最も高くつく結果になることもあります。
よくあるトラブルと、再工事にかかるコストを確認しておきましょう。
1. よくある失敗例
(1)塗料の密着不良
洗浄や下塗りを省略したことで、1年以内に塗膜が剥がれるケースが多発。
再塗装には足場代を含めて20〜40万円かかります。
(2)塗りムラ・塗り残し
均一に塗れず見た目が悪化。上塗りでカバーしようとして塗料を浪費し、
かえってコストが増加します。
(3)コーキング処理の不備
サイディングの目地を埋めたはずが、雨水が侵入して内部腐食。
補修費が10万円以上かかることもあります。
(4)塗料選びのミス
「安い塗料でいいや」と選んだ結果、数年で色あせ・チョーキング(粉吹き)現象が発生。
長期的には高耐久塗料を選んだほうが安く済むこともあります。
2. 再工事コストの現実

| トラブル内容 | 再工事費用の目安 |
|---|---|
| 塗膜剥がれ再塗装(30㎡) | 約20〜40万円 |
| コーキング再施工 | 約8〜15万円 |
| 下地補修+再塗装 | 約30〜50万円 |
| 雨漏り修繕+外壁塗替え | 約50〜80万円 |
DIYで失敗した箇所をプロに修繕してもらう場合、最初から業者に依頼するより高くなることが多いです。
「危険・高所・構造に関わる工事」は、最初からプロに任せる判断が賢明です。
→ 「外壁リフォーム会社の比較」について詳しく知りたい方へ:
大手と地元業者の違いや、口コミで選ぶ際の注意点を紹介しています。
→ 「リフォームの総合ガイド」もあわせてチェック:
費用・工法・素材など、住宅リフォーム全体の知識をまとめています。
まとめ:DIYは部分的に、プロ比較で失敗を防ぐ
外壁DIYは「部分的に行えば節約効果が大きい」反面、
やり方を間違えると大きな修繕費を生むリスクもあります。
外壁リフォームを安く抑える3原則
- 無理をせずDIY範囲を限定(スコープ最適化)
- 閑散期・晴天時期を狙って作業または依頼
- 業者の相見積もりで最安値を比較
自分でできる範囲を見極め、難しい部分はプロに任せる。
それが、外壁リフォームを安全かつ低コストで成功させる最短ルートです。



