築20年以上の住宅では、玄関まわりに「段差」「老朽化」「寒さ」「暗さ」など、
日常生活に不便を感じる悩みが多く見られます。
玄関は、家族や来客を迎える“住まいの顔”であり、同時に高齢者の転倒事故が起きやすい場所でもあります。
見た目の美しさだけでなく、安全性・断熱性・収納性を同時に向上させることが、
古い家の玄関リフォームの最大のポイントです。
この記事では、
- 現状確認のポイント
- 段差解消などのバリアフリー改修
- タイル・ポーチ・収納を含めた一体施工の考え方
を、具体的な費用相場とともに詳しく解説します。

高齢の母が玄関段差でつまずいたことをきっかけにリフォーム。土間をかさ上げして段差を解消。出入りがスムーズになり安心です。

雨の日に滑って危ないと感じていた玄関をノンスリップタイルに張り替え。掃除もしやすく、見た目も明るくなって満足しています。

冬場の冷気が気になり、断熱ドアへリフォーム。玄関が寒くなくなり、光も入りやすくなって印象まで変わりました。

みんなの声としては「段差をなくして母が安全に」「玄関タイルを滑りにくい素材に変更」「古い木製ドアを断熱タイプに交換」などが見られました。
既存寸法・下地確認のポイント

古い家の玄関をリフォームする際、まず最初に行うべきは現状の構造把握です。
「どこまで解体し、どこを残すか」を判断するためには、寸法・下地・基礎の確認が欠かせません。
1. 玄関框(かまち)と段差の高さを測る
古い家では、玄関土間と廊下の段差が15〜20cm以上あるケースが一般的です。
この高さがそのままだと、バリアフリー化やドア交換の際に干渉するため、
事前に「床レベル」を正確に測ることが大切です。
- 廊下と玄関タイルの高さ差
- 框(上がり框)の奥行・厚み
- 床下の支持構造(根太・束)
段差をなくす場合、床を上げるか玄関土間をかさ上げするかで費用が変わります。
2. 玄関ドア・サッシのサイズ測定
古い玄関ドアは「特注寸法」になっていることが多く、
現行のシステムドアとはサイズが合わない場合があります。
リフォーム前にチェックすべき項目:
- ドア枠の内寸(高さ・幅)
- 枠の埋め込み深さ(壁厚との関係)
- 壁内に断熱材や筋交いがあるか
古い住宅では木造や軽量鉄骨など構造も多様なため、カバー工法が使えるかを業者と確認しましょう。
ドアの開き方向(内開き・外開き)も、リフォーム後の動線に影響します。
3. 下地と防水の状態を確認
玄関タイル下のモルタル層やコンクリート基礎が劣化している場合、
上から新しいタイルを貼っても剥離・ヒビの原因になります。
確認すべきポイント:
- タイル下地の浮きや空洞音の有無
- コンクリート基礎のクラック
- ポーチ階段や土間の勾配(排水方向)
特に玄関ポーチは、雨水の流れが悪いと滑りやすく危険です。
防水層を再施工するだけでも、滑り止めと耐久性が向上します。
→ 「玄関ドアリフォーム総合ガイド」では、ドア・引き戸・両開きなど玄関全体の改修パターンを詳しく解説しています。
バリアフリー化(段差・手すり・框)

古い玄関の最大の課題が段差と安全性。
高齢者や子どもがつまずきやすく、靴の脱ぎ履きにも不便を感じるケースが多いです。
ここでは段差解消や手すり設置など、バリアフリー化の具体策を紹介します。
1. 段差解消リフォーム
玄関と廊下の段差をなくすには、床上げまたは土間かさ上げのどちらかを選択します。
- 床上げ工法: 廊下側を上げて段差を吸収(廊下リフォームと併用)
- 土間かさ上げ工法: モルタルで土間を上げ、框の高さを合わせる
費用目安:
| 工事内容 | 費用相場 | 工期 |
|---|---|---|
| 土間かさ上げ | 約5〜10万円 | 1〜2日 |
| 段差スロープ設置 | 約3〜6万円 | 半日〜1日 |
| 廊下床上げ | 約8〜15万円 | 2〜3日 |
床材には、滑りにくいノンスリップタイルやクッションフロアを採用すると安心です。
2. 手すり設置と出入り補助
玄関の段差が残る場合、手すりを設けることで安全性が向上します。
立ち上がり動作に合わせた高さ(約75〜80cm)が基本です。
おすすめの設置位置:
- 框(上がり框)横の縦手すり
- 玄関ポーチの外側(段差の登り口)
- 下駄箱横の水平手すり
費用は1本あたり約1〜3万円。
ステンレスや木製など、室内外の雰囲気に合わせたデザインを選べます。
3. 玄関框の交換・補修
古い木製框は、経年で角が欠けたり塗装が剥がれたりしていることが多いです。
新しい框を設置する場合、木製・樹脂製・アルミ製など選択肢があります。
- 木製:温かみがあり、和風住宅に合う
- 樹脂製:耐水性・防カビ性に優れる
- アルミ製:モダンデザイン・傷に強い
框交換の費用は3〜8万円前後。
段差解消と同時に行えば、工期・コストをまとめられます。
→ 「断熱リフォームの基本」では、玄関ドアや床下の断熱補強による冷え対策を紹介しています。
タイル/ポーチ/収納の同時施工

玄関の印象を大きく左右するのが、**タイル・ポーチ・収納(下駄箱)**です。
せっかく段差やドアを直すなら、見た目と機能性を同時に改善するのがおすすめです。
1. 玄関タイルの張り替え
タイルは滑りやすく、汚れやすい箇所でもあります。
最近は、ノンスリップ加工・防汚加工タイルが主流で、見た目もモダンに進化しています。
| 素材タイプ | 特徴 | 費用目安(㎡) |
|---|---|---|
| 磁器タイル | 耐久性が高く定番 | 約8,000〜12,000円 |
| セラミックタイル | 滑りにくく高級感 | 約10,000〜15,000円 |
| 塩ビタイル | 軽量・施工が早い | 約6,000〜9,000円 |
施工は1〜2日で完了し、防汚コートや撥水処理を追加すれば掃除も簡単です。
2. ポーチ・庇(ひさし)の改修
ポーチや庇は、雨天時の出入りを快適にする重要な要素です。
古い家ではひび割れや排水不良が起きやすいため、玄関リフォームと同時に整備すると効果的。
- モルタル階段の再施工(約8〜15万円)
- タイル貼り替え+防滑処理(約10〜20万円)
- アルミ製庇の新設(約5〜12万円)
雨がかりを防げるだけでなく、外観デザインのアクセントにもなります。
3. 下駄箱・収納のリフォーム
古い下駄箱は容量不足・通気性の悪さが課題。
最近では、壁面一体型収納や鏡付きキャビネットタイプが主流です。
- コンパクト収納タイプ(高さ90cm):約5〜8万円
- トール収納(天井までの高さ):約10〜20万円
- 造作家具タイプ:約15〜30万円
靴の湿気やニオイ対策には、換気窓+消臭機能付き壁紙を採用するのがおすすめです。
4. 窓・採光の見直し
古い玄関は光が入りにくく、昼間でも暗い印象になりがちです。
玄関窓や採光パネル付きドアを導入することで、自然光を取り込みつつ省エネ効果も期待できます。
- 採光ドア交換:約25〜40万円
- FIX窓新設:約10〜20万円
採光部を設けるだけでも、照明に頼らない明るい玄関に変わります。
→ 「おしゃれな玄関デザイン集」では、モダン・ナチュラル・和風などデザイン別の施工事例を紹介しています。
まとめ:古い家の玄関は「安全・快適・印象アップ」で再生

玄関リフォームは、外観の美しさだけでなく暮らしの安全性と快適性を向上させる重要な工事です。
まとめポイント
- まずは現況測定(段差・下地・ドア寸法)で施工範囲を把握
- 段差解消・手すり・框交換でバリアフリー化
- タイル・ポーチ・収納を同時施工するとデザイン統一がしやすい
- 費用目安:小規模15万円〜、全面改修で50万円〜100万円程度
古い家の玄関を整えることで、
毎日の出入りがスムーズになり、家全体の印象も大きく変わります。



