中古住宅を購入し、自分好みにリノベーションするスタイルは近年ますます人気が高まっています。
新築よりもコストを抑えながら、間取りやデザインを自由に変えられる点が大きな魅力です。
一方で、中古ならではの劣化・構造・ルール・追加費用などがあり、
検討前に知っておくべきポイントも多く存在します。
この記事では、
中古×リノベの基本の流れから、マンションと戸建てでの違い、物件選びの注意点、リノベ会社の選び方まで総合解説します。

中古マンションを購入してフルリノベ。壁式構造で間取り制限はあったものの、内装デザインを統一して理想の空間に。工期も2ヶ月で満足しています。

築30年の中古戸建てを購入し、断熱と間取りを一新。配管交換で追加費用はあったが、新築より安く、自分たちに合った暮らしを実現できました。

内見時に雨漏りを発見した中古住宅。リノベ前提で購入し、屋根補修+内装再生で安心して住める家に。早めの診断が本当に助けになりました。

みんなの声としては「中古マンションを購入してフルリノベ」「築30年の中古戸建てを購入し、断熱と間取りを一新」「内見時に雨漏りを発見した中古住宅。リノベ前提で購入」などが見られました。
中古住宅を買ってリノベする流れ(資金計画→物件探し→工事)

中古リノベは 「買ってから考える」ではなく「買う前から準備する」 ことで成功率が大きく変わります。
基本の流れを押さえておきましょう。
1. 資金計画(物件費+工事費+諸費用)
はじめに把握すべきなのは 総予算の全体像 です。
中古×リノベの総費用の内訳は以下のとおり。
- 物件費
- リノベ工事費
- 仲介手数料
- 各種税金(登録免許税・不動産取得税など)
- 引越費用
- 家具・家電費
中古住宅リノベは
「物件価格を抑えて工事に予算を回す」 のが基本戦略です。
リノベ費用の全体的な考え方は、別記事の「費用総論」で解説しています。
2. 物件探し(構造・規模・立地・将来性)
中古物件探しは、
- 構造
- 管理状態
- 修繕履歴
- 劣化の有無
- 規約(マンション)
- 周辺環境
など、多くのチェックポイントがあります。
リノベ前提で購入するなら、
「スケルトンにしやすい物件」「間取り変更がしやすい構造」 を優先して探すのがポイントです。
3. リノベーション計画(仕様・間取り・性能)
物件の特徴を踏まえ、次の要素を決めていきます。
- 間取り(LDK一体化・和室→洋室など)
- 断熱性能の向上
- 収納計画
- 設備交換(水回り・給湯器)
- 内装デザイン(床・壁・天井)
- 窓断熱・内窓設置
- バリアフリー対応
特に中古戸建ては、断熱・耐震を同時に改善することで、
新築同等の性能に近づけることも可能です。
断熱リノベの詳細は「断熱リノベ」で解説しています。
4. 工事契約→着工→引き渡し
工事期間の目安は以下です。
- 部分リフォーム:2〜4週間
- 戸建てスケルトンリノベ:2〜3ヶ月
- マンションフルリノベ:1.5〜2.5ヶ月
中古×リノベは 「引越し日は余裕を持って設定」「工程の遅れを想定する」 がポイントです。
中古リフォームとの違いと判断軸

似ているようで実は大きく違う、
「中古リフォーム」 と 「中古リノベーション」 の境界を明確にしておきます。
中古リフォーム(修繕・交換中心)
- 壊れた所を直す
- 設備交換(キッチン・風呂など)
- 壁紙・床の張り替え
- 外壁補修
費用は小さく、工期も短いのが特徴です。
中古リノベーション(間取り変更・性能向上)
- スケルトン化(構造体以外を解体)
- 間取り変更
- 断熱・配管・電気系の刷新
- 水回り位置変更
- デザインの再構成
費用は大きいですが、
新築に近い性能と住み心地を手に入れられるのが魅力です。
判断軸:どちらが合う?
| 判断項目 | リフォーム向き | リノベ向き |
|---|---|---|
| 予算 | 少ない | 多めに確保できる |
| 設備寿命 | 一部のみ古い | 全体的に古い |
| 断熱 | 大きな改善不要 | 断熱不足が深刻 |
| 間取り | 大きく変えない | 変えたい |
| 配管 | 部分交換で可 | 全交換したい |
| デザイン性 | 最低限でOK | 自分好みに作りたい |
マンションと戸建てで変わるポイント(構造・規約・外装不可)

中古リノベは、マンションか戸建てかで
できること/できないことが大きく異なります。
【マンション編】内部リノベに特化。構造・規約の制限に注意

マンションリノベは
専有部(内側)だけ工事可能。外側はNG というのが大原則です。
マンションリノベでできないこと
- 外壁を変える
- 窓(サッシ)の交換(管理組合の許可が必要)
- バルコニーの改修
- 排水ルートの大幅な変更(階下に影響)
- 換気ダクトの増設(梁・PSが注意点)
構造方式による違い(ラーメン/壁式)
ラーメン構造(柱+梁)
→ 壁を抜けるため間取り変更しやすい
壁式構造
→ 壁が構造体。間取り変更は制限多め
物件選びの段階で
「どこまで間取りが動かせるか」 を確認することが重要です。
マンション管理規約が左右する工事範囲
- 床材の遮音等級(L-45以上など)
- 工事可能時間
- ペット可否
- 水回り位置変更の可否
マンション規約は“ルール”ではなく“制限の集まり”です。
工事可能範囲は必ず管理会社に確認しましょう。
マンションリノベの個別論は「中古マンションリノベ個別」で解説しています。
【戸建て編】外装含むフルリノベが可能。構造チェックが命

戸建ての中古リノベは自由度が高く、
外壁・屋根・間取り・断熱・水回り位置など
ほぼ全ての改修が可能です。
戸建てリノベで最も大事なのは「構造チェック」
特に注意すべきは次の点です。
- 基礎のひび割れ
- 土台の腐朽
- シロアリ被害
- 雨漏り
- 柱・梁の傾き
- 外壁の劣化(モルタル・サイディング)
構造が弱っている場合、間取り変更や増築計画が制限されます。
戸建てリノベの詳細は「中古戸建リノベ個別」で解説しています。
中古物件選びの注意点(配管・構造・雨漏り・断熱性能)

中古物件を購入する段階で、
リノベ向きかどうかを見極めることが最重要 です。
以下の項目に1つでも不安がある場合は
“リノベ前提の追加費用”が発生します。
1. 配管(給水・排水・ガス)
築20〜30年を超える物件は、
- 鉄管の腐食
- 給湯器寿命
- 排水管の勾配不足
などが起きやすく、交換コストがかかります。
配管全交換の費用目安:
マンション 40〜80万円
戸建て 60〜120万円
2. 構造(耐震・梁・基礎)
築40年以上の物件は新耐震基準前で
耐震性能不足が多く、補強が必要です。
- 耐震補強:120〜250万円
- 壁量計算:構造計算が必要な場合あり
- 基礎補強:50〜200万円
3. 雨漏り・外壁劣化
中古住宅で最も多い“見落とし”が雨漏りです。
雨漏りは壁内・天井裏・窓周りで発生しやすく、
補修費が思ったより高額になることがあります。
- 部分補修:5〜20万円
- 根本補修:30〜100万円
- 屋根葺き替え:80〜150万円
4. 断熱性能(窓・壁・床下)
中古物件の85%は断熱性能が低く、
冬寒く夏暑い状態になっています。
断熱改善の目安:
- 内窓設置:1窓2〜6万円
- 壁内断熱(戸建てスケルトン):80〜200万円
- 玄関断熱ドア交換:25〜40万円
断熱リノベの詳細は「断熱リノベ」で解説しています。
潜在的な“隠れコスト”の種類

中古×リノベの「予算オーバー」は、
ほぼ以下の見落としが原因です。
- 配管の交換
- 壁内の腐朽
- シロアリ
- 断熱不足
- 借入条件(中古+リノベローン)
- 解体工事の範囲拡大
物件購入前にホームインスペクション(住宅診断)を行うことで、
これらの多くは事前に把握できます。
「中古×リノベ」の費用相場

おおまかな費用帯は以下です。
- マンションフルリノベ:600〜1,200万円
- 戸建てフルリノベ:800〜1,800万円
- 部分リノベ:150〜300万円
- スケルトン化:50〜150万円
- 水回り移設:50〜150万円
物件価格に工事費をプラスして
総額2,500〜4,000万円が都市部の標準ラインです。
リノベ会社の選び方

中古×リノベは、会社選びで結果の8割が決まります。
重要ポイント
- 中古物件とリノベの「ワンストップ型」か
- 施工事例数・構造リノベ経験の多さ
- マンション規約に詳しいか
- 物件選定段階から相談できるか
- 図面作成力・デザイン力
- 施主の要望を引き出す“ヒアリング力”
- 工事中の現場管理体制
失敗する人の多くは、
「不動産会社に勧められるままに契約してしまう」 というケースです。
まとめ:中古×リノベは“仕組み理解”と“物件選び”が成功の鍵

中古住宅リノベは、
- 好きなデザインにできる
- 新築より価格を抑えられる
- 自由度が高い
- 資産価値が上がりやすい
など大きなメリットがあります。
一方で、
- 構造
- 配管
- 規約
- 劣化
- 隠れコスト
- 断熱
など理解すべき点も多いため、
**「買ってから考える」のではなく「買う前から計画する」**ことが最重要です。




