マンションやアパートのリフォームでは、戸建てにはない「制約」と「ルール」が存在します。
とくに玄関ドアや窓まわりは、共用部扱いになる可能性が高く、個人判断で交換できないことも少なくありません。
「古い玄関ドアを取り替えたい」「窓を二重にして防音・断熱したい」と考えても、
管理規約・施工条件・防火基準・避難経路など、確認すべき項目が多くあります。
この記事では、マンション・アパートでの玄関・窓リフォームの可否・工法・費用・注意点を体系的に解説します。
法令遵守と安全性を両立させながら、快適な住まいを実現しましょう。

結露と寒さが気になり内窓を設置。事前に管理組合へ申請したおかげでスムーズに承認。断熱効果も高く、冬でも快適に過ごせています。

自分でドアを交換できると思っていたが、共用部と知り申請が必要に。業者に相談して内側の塗装と鍵交換で対応。印象も機能も改善。

上階の足音が響くため内窓を追加。半日の工事で静かさが格段にアップ。外観を変えずに効果が出たので、管理組合の許可も取りやすかった。

みんなの声としては「管理組合の承認でスムーズに内窓設置」「玄関ドアの交換は共用部扱いだった」「防音目的で二重窓を導入」などが見られました。
共有部/専有部の線引き(共用玄関扉の扱い)

マンション・アパートのリフォームで最初に確認すべきことは、
「どこまでが自分の所有(専有部)で、どこからが共用部分なのか」という線引きです。
玄関ドアは「共用部」に含まれるのが基本
多くの管理組合では、玄関ドアは外側=共用部、内側=専有部と定められています。
つまり、ドア全体の交換は原則として管理組合の承認が必要です。
- 外側(廊下側の塗装・色・材質) → 管理組合の共有資産
- 内側(室内側の塗装・鍵の交換) → 個人で変更可
そのため、「ドア本体を新しくする」のではなく、内側だけの塗装・鍵交換・断熱パネル追加が現実的な方法になります。
管理組合による玄関ドア一括改修
築20年以上のマンションでは、管理組合主導で全戸ドアを交換するケースが増えています。
耐火性能・断熱性能・遮音性能を満たすドアに統一することで、建物全体の価値を維持する狙いがあります。
個人が先行してリフォームする場合でも、
「共用部の意匠を損なわない」「将来の一括交換に影響しない」ことが条件になります。
アパートの場合
木造アパートや小規模集合住宅では、共用部と専有部の明確な区分が緩やかです。
外観を大きく変えない範囲であれば、玄関ドアを個人で交換できることもあります。
ただし、大家または管理会社への事前許可は必ず必要です。
→ 「玄関ドアリフォーム総合ガイド」では、ドアタイプ・工法・費用の比較を詳しく解説しています。
管理規約・承認・騒音・工期の注意点

マンションやアパートでは、工事内容よりも**「どのように手続きを進めるか」**が重要です。
管理規約や施工ルールを守らないと、着工後に中止命令が出るケースもあります。
1. 管理規約の確認
まずは、管理組合から「管理規約」および「使用細則」を入手し、
玄関・窓・外壁・バルコニーに関する条項を確認しましょう。
チェックすべき項目:
- 専有部/共用部の範囲
- 工事可能時間・搬入ルート
- 騒音・粉塵対策
- 事前申請書・図面の提出義務
とくに玄関ドアや窓サッシは「共用部付属物」扱いが多いため、
「内側リフォーム」や「内窓設置」にとどめるのが一般的です。
2. 申請・承認手続きの流れ
工事を進める前に、管理会社・理事会への申請が必要です。
基本的な手続きフロー:
- 工事内容の打ち合わせ(業者+住人)
- 管理組合へ申請書と図面を提出
- 理事会で承認(1〜2週間)
- 工事日程の通知(掲示板・住民周知)
- 着工・完了報告
共用部に接するリフォームでは、「外観変更」「防火性能」「排気・換気」なども審査対象になります。
3. 騒音・工期の注意
集合住宅では、工事音や搬入作業によるトラブルが最も多く発生します。
- ドリルやサンダー音の発生時間を9:00〜17:00に限定
- 廊下・エレベーター使用時の養生を徹底
- 搬入ルート・共用電源の使用許可を取得
工期は、玄関ドア交換で約1〜2日、内窓設置で半日〜1日が一般的。
ただし、承認までの期間(約2〜3週間)を考慮して計画を立てましょう。
4. 火災報知器・避難経路の確認
玄関・窓まわりの工事では、防火・避難の観点から設計変更に制限がかかります。
- 玄関ドアは「防火戸(30分耐火)」が義務付けられる地域あり
- 窓サイズ・位置変更は「避難経路」として変更不可
- 換気口・ダクト周辺の封鎖は禁止
これらを無視してリフォームを行うと、
消防法違反や管理規約違反として是正命令が出る場合もあります。
マンション窓の工法(内窓中心)

マンションでは、外壁やサッシが共用部のため、窓サッシそのものを交換することは不可です。
そのため、個人でできるリフォームの中心は「内窓(二重窓)」になります。
1. 内窓(二重窓)とは?
既存の窓の内側に、もう一枚樹脂製の窓を取り付ける工法。
壁や外壁に手を加えないため、管理規約上でも許可されやすいリフォームです。
主なメリット:
- 断熱・防音・結露対策に効果的
- 工事が半日で完了
- 管理組合への申請が比較的スムーズ
2. 費用と設置例
| 開口タイプ | サイズ目安 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 腰窓 | 幅1200×高900mm | 約5〜7万円 |
| 掃き出し窓 | 幅1700×高1800mm | 約8〜12万円 |
| 出窓・小窓 | 幅600×高600mm | 約3〜5万円 |
人気メーカー:YKK AP「プラマードU」、LIXIL「インプラス」など。
断熱・遮音・結露防止の3効果が得られるため、電気代の節約効果も大きいです。
3. 内窓設置の注意点
- 網戸との干渉を避けるため、開閉スペースを確保
- 結露がひどい場合は、既存窓の清掃・パッキン交換も同時に
- 防火地域では「防火設備認定品」のみ使用可能
設置場所は、リビング・寝室・玄関脇の採光窓などにおすすめです。
特に北向きや共用廊下側の部屋では、防寒・防音の効果が大きいです。
→ 「窓・内窓リフォームの基礎ガイド」では、断熱・防音性能と補助金制度を詳しく解説しています。
防犯・避難経路・防火のポイント

マンション・アパートの玄関や窓は、防犯性と防火性能のバランスが重要です。
見た目だけでなく、安全基準を満たした設計が求められます。
1. 防犯性能を高めるリフォーム
- ドア: ディンプルキーや電気錠に変更(許可範囲内で)
- 窓: 補助錠や防犯フィルムの追加
- 照明: センサーライトを室内側に設置
窓サッシの交換ができない場合も、内窓+防犯フィルムで侵入リスクを軽減できます。
2. 防火対策
管理規約で指定されている「防火戸」「防火ガラス」などを使用することが原則です。
特に玄関ドアは、耐火30分以上の防火性能が義務化されているエリアが多くあります。
防火設備認定品を選ぶ際は、
「国土交通大臣認定番号(例:EA-xxxx)」が明記されている製品を選びましょう。
3. 避難経路の確保
窓の位置やサイズを変更するリフォームは、避難経路に影響する可能性があります。
特に共用廊下側の窓は、消防の通路確保に関係するため、
管理組合の承認なしで変更すると違反となる場合があります。
避難ハッチやベランダの仕切り板などは、絶対に塞がないように注意しましょう。
まとめ:マンションリフォームは「規約遵守+内側改修」が基本

マンションやアパートの玄関・窓リフォームは、共用部の扱いと規約確認が最優先です。
まとめポイント
- 玄関ドアは共用部、内側の塗装・鍵交換は可能
- 窓リフォームは「内窓(二重窓)」が主流
- 管理規約・承認・防火・避難ルールを必ず確認
- 防犯・断熱・防音を兼ねたリフォームで快適性を高める
戸建てとは違い、マンションリフォームは「制約の中で最大限快適にする工夫」が鍵です。
事前確認を怠らず、専門業者と管理組合の両方に相談しながら計画を進めましょう。


