中古マンションを購入して、自分好みにリノベーションする──
ここ数年で人気が急上昇し、都心・地方問わず「中古×リノベ」が定番の住まい選択肢になりました。
しかし、戸建のリフォームと違いマンションリノベには
管理規約・共用部・構造制限・配管位置 など、できること/できないことが明確に存在します。
この記事では、
中古マンションリノベの実現可能性・費用相場・間取り変更・設備刷新・配管更新の要否・スケルトンvs部分リノベなどの総合ガイド
として、初めての方でも判断できる内容をまとめています。

築30年の中古マンションを購入しフルリノベ。配管更新と間取り変更で新築同様の快適さになり、広いLDKで家族が過ごしやすくなりました。

部分リノベでキッチン・洗面・床を一新。スケルトンほど費用をかけずに、希望のデザインを実現できて満足。マンション特有の制限もクリアできました。

対面キッチンへの変更を希望しましたが、排水位置の問題で断念。代わりに収納改善を提案され、結果的に使い勝手がとても良くなりました。

みんなの声としては「築30年の中古マンションを購入しフルリノベ」「部分リノベでキッチン・洗面・床を一新」「対面キッチンへの変更を希望」などが見られました。
管理規約・共用部・配管など「できる/できない」の線引き

中古マンションリノベの最大の特徴は、
工事できる範囲が法律・規約・構造で制限される という点です。
まずは、「触れる場所」と「触れない場所」を明確に整理します。
専有部=リノベ可能
(ただし例外あり)
専有部とは、自分の所有範囲の内部空間。
一般的にリノベ可能な箇所は次のとおり。
- 内壁・天井・床
- キッチン位置の変更
- 洗面・浴室・トイレ
- 給水・給湯・電気配線
- 収納・建具
- 表層リフォーム(クロス、床材)
ただし、専有部であっても
排水縦管・梁・玄関ドア内側以外 は変更不可です。
共用部=原則工事不可
マンションで最も誤解されやすい部分です。
工事不可の共用部:
- 玄関ドアの外側
- バルコニーの床材(勝手な張り替え不可)
- サッシ(窓ガラス・枠)
- 排水縦管(棟全体の共有配管)
- バルコニー手すり
- 室外機置場の構造
これらを変更するには管理組合の承認が必要で、
実際には個人の判断で変更することはほぼ不可能です。
構造壁(耐力壁)は撤去不可
マンションの大半は
- ラーメン構造(柱梁)
- 壁式構造(壁が構造体)
のどちらかです。
特に壁式構造は壁そのものが建物強度を担うため、
間取り変更が大きく制限されます。
判断ポイント
- 間仕切り壁:撤去可能
- 構造壁(太い壁):撤去不可
- コンクリートの梁:移動不可
リノベを前提に物件を探すなら、
ラーメン構造がベスト です。
→ 費用と工事項目の全体像は「費用総論」にまとめています。
3LDKなどプラン別の費用感と実現しやすい間取り

中古マンションリノベは、
「どんな間取りにしたいか」
によって費用が大きく変わります。
代表的なプランをもとに、費用イメージを整理します。
① 3LDK → 2LDK+広いLDK
(最も人気)
壁を撤去し大空間LDKにするパターン。
費用目安
- 400〜700万円
特徴
- 子育て世帯・DINKSで人気
- キッチン位置変更を含むと高額
- 壁式構造では難しい場合も
② 和室を洋室に変更(3LDK→3LDK)
(費用対効果が最も高い)
費用目安
- 80〜150万円
内容
- 畳→フローリング
- 壁天井クロス変更
- 押入れ→クローゼット
古い中古マンションの「和室1室だけ劣化」問題の解決に最適。
③ 独立キッチン → 対面キッチン
(人気だが配管条件が大きく影響)
費用目安
- 120〜250万円
注意点
- 排水位置が動かせない場合は移設不可
- 配管勾配が取れるかどうかが最大ポイント
「床下が二重床」「梁のない構造」なら成功率が高い。
④ スケルトンリノベ(間取り全刷新)
スケルトン=壁・床・天井・配管すべて撤去してゼロから作る方法。
費用目安
- 700〜1,500万円(60〜80㎡)
メリット
- 新築同等の設備と断熱性
- 間取り完全自由(構造制限内)
- 配管更新で寿命が延びる
→ フルスケルトンの詳細はこちらで解説しています。
設備更新(キッチン・風呂・トイレ)と配管更新の要否

中古マンションで最も重要なのは
「配管は更新すべきか?」
という点です。
キッチン(100〜200万円)
選択肢
- 壁付け→対面
- I型→L型
- 独立→オープン
注意点
- 排水位置の移動可否
- IH・食洗機への200V電源増設
- ダクト経路(梁で通らないことあり)
風呂(UB交換:80〜160万円)
古いマンションは
- サイズが1216固定
- 配管径が細い
- 給湯器の能力が不足
などの制約あり。
設備更新ポイント:
- 追い焚き不可物件も多い
- マンションによってはサイズUP不可
- 床の高さが上がると段差が増える
トイレ(20〜40万円)
比較的自由度が高い。
ただし、床排水→壁排水の変更は不可。
洗面(20〜50万円)
造作洗面にする場合の注意点
- カウンター奥行き
- 水栓の高さ
- ミラー裏の配線スペース
配管更新の要否(中古マンションはココが超重要)
築年数によって判断が変わる。
築20年未満
→ 給水・給湯配管は交換不要なことが多い
築20〜35年
→ できれば更新したいライン
築35年以上
→ ほぼ100%更新必須
配管更新のメリット
- 水漏れリスク低減
- 湯圧が改善
- カビ臭の防止
配管更新費
- 20〜50万円(専有部)
→ 団地マンションの場合は別途「団地リノベ」で注意点を解説しています。
費用シミュレーション(スケルトン vs 部分リノベ)

中古マンションリノベの費用は、
「どこまでやるか」で大きく変わります。
部分リノベーション(300〜700万円)
向いている人
- 設備を最低限更新したい
- 間取りは大きく変えない
- すでに内装状態が悪くない
よくある組み合わせ
- 床+クロス+キッチン交換
- 洗面・トイレ交換
- 和室→洋室
- 小規模の間取り変更
スケルトンリノベ(700〜1,500万円)
向いている人
- 新築同様にしたい
- 間取りを全変更したい
- 設備も配管もすべて更新したい
- 古い団地タイプを活かしたい
メリット
- 配管更新で家の寿命延長
- 広いLDKや対面キッチンが実現しやすい
- 断熱・遮音性能も改善できる
→ リノベの費用全体像の比較は「費用総論」が参考になります。
中古マンションの注意点(購入前チェック)

リノベ成功のためには、物件選びがすべてです。
以下のポイントは必ずチェックします。
① 管理状況(管理費・修繕積立金)
- 修繕積立金が極端に安い
- 管理が杜撰
- 清掃状態が悪い
- 長期修繕計画がない
これらは将来的な修繕リスクが高いため要注意。
② 給排水方式
(間取り自由度が決まる)
排水方式は以下の3つ:
- 床排水(自由度高い)
- 梁下排水(制限あり)
- 共有排水(制限大)
③ 構造と天井高
ラーメン構造
→ 間取り自由度◎
壁式構造
→ 間取り制限多い
天井高
→ 2400mm以上だとリノベ後も広く見える
④ 騒音条件(床スラブ厚)
二重床の厚み、スラブ厚150mm以上だと遮音性GOOD。
まとめ|中古マンションリノベは「できる/できない」の見極めが最重要

中古マンションリノベは、
- 管理規約
- 構造
- 配管
- 共用部の制限
によって実現できる内容が大きく変わります。
まずは
「希望の間取りができる物件か?」
を見極めることが成功の第一歩です。
スケルトンリノベで新築同等にするか、
部分リノベで必要なところだけ更新するか、
家族のライフスタイルに合わせて最適解を選びましょう。



