お風呂のリフォームを検討する際、まず知っておきたいのが「マンション」と「戸建て」では、かかる費用や工事の内容が大きく異なるという点です。
同じユニットバスの交換であっても、構造・配管・工法の違いによって20〜40万円ほど差が出ることもあります。
この記事では、マンション・戸建てそれぞれのお風呂リフォーム費用の特徴・相場・施工期間の違いをわかりやすく解説します。
さらに、失敗しないリフォーム会社の選び方も紹介します。

マンションの浴室をリフォームしましたが、管理規約の確認や騒音対策が必要でした。制約は多いものの、最新ユニットバスで快適さが格段に上がりました。

マンションの風呂を在来からユニットバスに交換しました。配管制限があり苦労しましたが、工期が短く済み、清掃も楽になって満足です。

複数の業者から見積もりを取りましたが、費用差が思った以上に大きくて驚きました。説明が丁寧な会社を選んだおかげで、安心して任せられました。

みんなの声としては「管理規約の確認が必要だった」「配管制限に苦労した」「相見積もりで費用差に驚いた」などが見られました。
マンションと戸建てでリフォーム費用が違う理由

お風呂のリフォームは「設置できる浴槽のサイズ」「排水や給湯の配管」「施工の自由度」に大きく左右されます。
特にマンションでは、建物全体の構造や管理規約の制約があるため、自由度が限られています。
一方、戸建ては間取りや構造を変更しやすく、断熱材や窓の追加なども可能。
この違いが、結果的に費用差や仕上がりの自由度に影響します。
マンションのお風呂リフォームの特徴

1. マンション特有の制約
マンションリフォームでは、配管や換気経路など共用部分に関わる制約が最大のポイントです。
- 排水位置の変更ができない
→ 既存の排水管が床下を通っているため、浴槽位置を移動すると勾配が取れなくなる場合があります。 - 天井高・梁の制約
→ ユニットバスの高さが制限され、対応サイズの限られた製品を選ぶ必要があります。 - 工事時間や騒音の制限
→ 管理組合のルールで、平日昼間しか施工できないなどの制限があります。
これらを考慮して、マンション対応型のユニットバスが多数のメーカーから販売されています。
TOTOの「マンションリモデルバスルーム」やLIXILの「リノビオV」などが代表的です。
2. マンションの費用相場と内訳
マンションの場合、全体の平均費用は約80〜130万円前後が目安です。
| リフォーム内容 | 費用相場(税込) | 工期目安 |
|---|---|---|
| 同サイズユニットバス交換 | 約80〜120万円 | 3〜5日 |
| 在来浴室からユニットバスへ変更 | 約100〜150万円 | 5〜7日 |
| 浴槽交換・壁パネル貼り替え | 約30〜60万円 | 1〜3日 |
| 浴室暖房乾燥機追加 | 約10〜20万円 | 1日程度 |
設備本体よりも施工条件によるコスト増減が大きいのが特徴です。
また、工期を短縮するために**搬入経路(エレベーター・通路)**の確認も重要です。
3. マンションリフォームでの注意点
- 防水パンの交換が必要かを確認
古いマンションでは防水パンが劣化していることが多く、交換費用(5〜10万円)が追加になることがあります。 - 管理組合への申請が必須
図面や仕様書の提出を求められることがあるため、着工前の準備期間を見込んでおきましょう。 - 断熱・換気性能を重視
コンクリート造のため湿気がこもりやすく、カビ対策には高性能換気扇や浴室暖房が有効です。
詳しくは「マンションのお風呂リフォームの施工手順と費用実例」で、施工制約や具体的な費用例を解説しています。
戸建てのお風呂リフォームの特徴

1. 自由度が高くデザインの幅が広い
戸建ての場合は構造制約が少なく、サイズ拡張や間取り変更も比較的容易です。
「脱衣所を広げたい」「窓を追加したい」「断熱浴槽にしたい」といった希望も実現できます。
また、在来工法(モルタル・タイル仕上げ)の浴室をシステムバスへ変更するケースが主流です。
この場合、防水性・清掃性・断熱性が飛躍的に向上します。
2. 戸建ての費用相場と工期
| リフォーム内容 | 費用相場(税込) | 工期目安 |
|---|---|---|
| ユニットバス交換 | 約90〜150万円 | 4〜7日 |
| 在来浴室からユニットバス化 | 約120〜180万円 | 7〜10日 |
| 高断熱仕様(浴槽・床・壁) | 約150〜200万円 | 7〜10日 |
| 窓交換・断熱改修同時施工 | 約20〜40万円追加 | — |
戸建てのリフォームでは、土台の劣化補修・断熱改修・給湯配管更新などの付帯工事が発生しやすいです。
このため、見積金額が上振れしやすい傾向にあります。
3. 戸建てリフォームでの注意点
- 基礎や土台の確認
長年の湿気で木材が腐食しているケースも多く、補修費用が10万円以上になることもあります。 - 外壁と接する部分の防水
外壁リフォームやサッシ交換と同時に行うと、仕上がりが綺麗で防水効果も高まります。 - 給湯器の交換タイミングを合わせる
浴室リフォームと同時に給湯器を交換すると、設置費用が抑えられるうえ効率も良くなります。
「戸建てのお風呂リフォームで注意すべき構造と断熱リフォームのポイント」で、より詳しく解説しています。
マンションと戸建ての費用比較まとめ

| 項目 | マンション | 戸建て |
|---|---|---|
| 費用相場 | 80〜130万円 | 90〜150万円 |
| 工期 | 約3〜5日 | 約5〜10日 |
| 自由度 | 制約が多い(構造・規約) | 高い(間取り変更可能) |
| 防水・断熱 | 標準仕様 | カスタマイズ可能 |
| 主な制約 | 排水勾配・梁・管理組合 | 土台・外壁・断熱工事 |
マンションは「制約内で効率的に」、戸建ては「自由設計で高品質に」が基本方針です。
費用の差よりも、どこまで理想を反映できるかが選択の基準となります。
施工期間の違いとスケジュールの考え方
1. マンションの場合
工期は平均3〜5日と短く、騒音・搬入経路などを考慮して段取りが重要です。
着工前に管理組合の承認・養生計画を提出する必要があります。
2. 戸建ての場合
外壁・断熱・基礎補修を同時に行うケースが多く、工期は1週間以上が一般的です。
特に冬季は乾燥期間を要するため、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
リフォーム会社選びのポイント

1. マンション実績のある業者を選ぶ
共用部分や配管構造に詳しい業者でないと、施工中のトラブルが起こりやすくなります。
管理会社とのやり取りもスムーズな「マンション専門店」や「リモデル認定業者」がおすすめです。
2. 戸建てでは構造補修に強い業者を
木造住宅の劣化や防水工事の知識があるかどうかで、仕上がりの耐久性が変わります。
見積時に「下地補修費を含めていますか?」と確認しましょう。
3. 現地調査と見積書の透明性
現場確認を行わず「一式いくら」で出す業者は避けましょう。
実際の構造・劣化状況を見たうえで詳細な内訳を出す業者が信頼できます。
4. 複数見積と比較検討
最低でも3社は比較を。費用だけでなく、工事内容・保証期間・担当者の対応も判断材料にしましょう。
「お風呂リフォームの費用相場と内訳」では、工事費・本体費用・諸経費の具体的な金額を詳しく解説しています。
また、「システムバスとは?在来浴室との違いと選び方」では、工法ごとのメリット・デメリットを紹介しています。
まとめ|住宅タイプに合った最適なリフォームを

マンションと戸建てでは、費用・期間・自由度すべてに違いがあります。
- マンション:構造制約が多く、施工スピード重視。
- 戸建て:断熱・デザイン・サイズなど自由設計が可能。
どちらも、「今の浴室に何を求めるか」で選ぶべき方向性が変わります。
快適さ・清掃性・耐久性を考え、自宅の構造に最も適したリフォーム方法を選びましょう。
そして、信頼できる業者に現地調査を依頼し、詳細な見積書をもとに判断することが成功の第一歩です。






